映画「三度目の殺人」公開初日レビュー!感想ネタバレ テーマが殺人サスペンス!?
9月9日公開の話題作!
是枝監督による「三度目の殺人」!観てきました。
是枝監督といえば2015年の「海街diary」が記憶に新しいところ。
鎌倉の大自然の中で、広瀬すずを始めとする美女四人(こんな美人姉妹いるか!笑)の共同生活が舞台となった作品。
今回はその広瀬すずと、
主演には「そして父になる」で是枝監督作品に初出演した福山雅治。
そしてもう一人、日本の役者界の重鎮である役所広司!!
脇を固めるのは若手注目の満島真之介、味のあるおっさん吉田鋼太郎、斉藤由貴他豪華キャスト。
これはもう観るしかないでしょう!
しかしタイトルにもあるように今回のテーマは「殺人?!」
是枝監督が「殺人?」しかも「法廷もの?」サスペンス?!
と若干の違和感を覚えた方も多いはず。
初日映画館は超満員。
では僕なりに内容に触れていこうと思います・・
福山雅治演じる重盛弁護士は
「真実はどうだっていい。裁判で勝つか負けるか」
という冷徹人間。(ガリレオと被る・・)
そこに現れた一人の依頼人。それが殺人犯である役所広司演じる三隅。
彼は過去にも殺人を犯している・・(ここ大事)
なるほど、三隅の裁判を勝たせるべく、
弁護士が奮闘する法廷サスペンスかと思った人!
違います。
それでは是枝監督でなくてもいいでしょう。
法廷は一種のサンプルであって
この映画の題材はもっと深いところにあったのでした。
序盤、福山演じる重盛は言います。「真実はどうだっていい」
終盤、福山演じる重盛は殺人犯に向かって叫びます。
「本当のことを教えてくれよ!!」
そう、これは「真実とは何か」を問う物語。
人は真実を知りたい。
様々な情報が溢れる社会で何が真実かなんて本当はわからない。
そんな中、個人の裁量で何が真実かを決めてしまうことができる人間がいる。=裁判官だ!
福山演じる重盛の父は元裁判官。
福山も元々は裁判官を目指していた。
それでも勝ち負けに拘るうちに真実なんてどうでもいいものになってしまった。
役所広司演じる三隅も同じ。
過去の裁判で真実の伝わらない怖さ、無意味さを覚え、今は誰も信用しない。
そんな二人の演技合戦!(見もの!!)
ガラス越しの二人の熱の入ったシーンがすごい。
前半から後半に進むにつれ、明らかに顔色が変わっていく。
福山、芝居の幅広げたな・・
役所広司、あなたはどう見ても人殺しです。
この映画はこの二人の演技合戦。頂上対決。
あ、広瀬すずのこと置き去りにしていた!
広瀬すず演じる咲江は被害者の娘。
これまたいい表情するんだな・・。
何かをぼーっと見つめるだけで絵になる女優。
今回は非常に質量のあるいい芝居をしています。
個人的には「怒り」以降一皮剥けたな。
しかし広瀬すずに関してはあまり書くとネタバレの危険性が!
最後にこの映画を紐解く上で大事だと思う三つのセリフ
役所広司の言う「生まれて来なければよかった人間 」とは。
福山の父である裁判官、橋爪功の言う「殺す人間と殺さない人間の大きな溝」とは。
広瀬すずが言う「誰を裁くかは誰が決める?」の意味とは・・・。
いや〜重いけど、重いだけではない、
非常に濃い2時間でした!!
どうでもいいけど最後これ言いたい。
今作品、是枝さんは初の「デジタル撮影」で挑んでます。
過去の記事も読む